
この本の著者は、新井範子さん。
この方、どうも強力なコピー力があるようで、まずはソコに感心。
技ありを次々ビシビシ取られまくるのだ。
例えば、まず表紙をめくると表2にさらっとある言葉。
「そして、市場は戦場ではなくなった」
女性ならではなんだろうか、すごく柔らかいしわかりやすい。
第1章「Web2.0がもたらしたパラダイム・シフト」の冒頭でTime誌の去年のPerson of the year、「YOU」からスムーズにWeb2.0にいったと思うと、「消費者はつながって振動し合う」例として映画「時をかける少女」と「ブレイブストーリー」の話題の広がりの比較という絶妙な事例紹介を行なうとともに、ラストは「助け合い」ループの再生、という視点を導入する。
第2章以降も、これまでの常識が逆転する市場を適切に表現していくが、感心したのは、バランス感覚がいいこと。
議論が盛り上がっていくうちに、よくありがちな極端な結論にまでいきついてしまわないところが素晴らしい。
テレビを中心としたマス広告と、ロングテールから積上げてくるウェブ(ブログ他)は、よく相容れないとして議論される(例:本「テレビCM崩壊」)
だが、この本の筆者も語るように、この2つは敵対するものではなく、あくまでもニッチ部分を活性化するのがウェブであり、その限界を感じざる得ないのである。
現に、ネット関係者の最近の合い言葉は「やっぱテレビはすごいねえ」らしい。
ゆえに、この本の筆者は「クロスメディア」視点をかっちり議論に組み込んでくる。
実に正しいと思う。
こういう方ならそのうちぜひ会って雑談してみたいな、とまで思わせる切れ味。
他にも、素敵なフレーズ、表現が満載。
例えば、
世界の中心は「私」;フラット化;見える化
消費者とともに価値を「創発」する
ウェブはみんなの「共通脳」
はっきり言ってこの本は「必読書」ではないか。
本「ウィキノミクス」が到達しようとして行きつけなかった世界!がココには明確にあるのです!